2012年4月8日日曜日

映画カ行その2


映画カ行その2

cinema(カ行その2)

「クジラの島の少女」
『WHALE RIDER』 (ニュージーランド 03年)
監督・・・ニキ・カーロ
出演・・・ケイシャ・キャッスル=ヒューズ、ラウィリ・パラテーン、ヴィッキー・ホートン
ニュージーランドの先住民マオリ族の少女が、滅びゆく民族の伝統に縛られながらも、不思議な運命に立ち向かっていく・・・。
2003年の公開時に、観たい観たいと思いながらも機会を逸してしまった作品。
この度、ようやくレンタルで観ることができました。
最近は映画を観て泣くということもほとんどなくなっていましたが、この映画を観て久々にボロボロ泣いてしまいました(笑)。
別に、「泣ける映画イコール優れた映画」とは思わないし、この映画のストーリー展開も「ほら泣け!」と言うくらい露骨なんだけど(笑)、それでも納得してしまう、大変美しい映画です。

主人公の少女パイケア役のケイシャ・キャッスル=ヒューズは、史上最年少でのアカデミー賞主演女優賞ノミネートも納得の素晴らしい存在感と演技。
もう、そのすべてが魅力的で、これは観た人総てが絶賛するのも当然です。

ラウィリ・パラテーン演じるお祖父さん� ��コロ"は、あまりに伝統に固執する姿勢が女性蔑視的と捉えられたのか、上映時には女性の反感をかなり買ったみたい。
でも、立場が違うせいなのか、男の私からすると、往年の星一徹を思い起こさせる頑固ジジイ的気質は、今時貴重で憎めない(笑)。
パイケアに対するキツイ当たり方も、彼女に対する愛情の欠陥ゆえとは感じられなかったし、自分があの立場だったらやはりああせざるを得ないだろうし・・・役柄としても大変魅力的でした。
逆に、美術家(?)の父親はなんとも存在感が薄いですよね。

他に、海中のクジラの姿、海の描写等、その映像の美しさも忘れがたい魅力です。

「くたばれ!ハリウッド」
『THE KID STAYS IN THE PICTURE』 (02年 米)
監督・・・ブレット・モーゲン、ナネット・バースタイン
出演・・・ロバート・エヴァンズ、ジャック・ニコルソン、ダスティン・ホフマン
70年代、パラマウントに君臨した名プロデューサー ロバート・エヴァンズが自ら書いた原作を、ドキュメンタリーとして映画化した作品。
一気に観てしまいました。
もともと、売れない美男俳優として出発したロバート・エヴァンズが、映画プロデューサーとなり、成功と失敗を繰り返しながら現在に至るまでを描いていますが、観終わってみると、彼がどういう人間なのかは正直よく分からない・・・ま、おそらく本人にもよく分かっていないのかもしれませんが(笑)。
それにしても、これが全部実話だなんて信じられないほど、なんともドラマチックで面白い人生・・・下手なフィクションものなどよりよほど面白い人生です(笑)。

内容は、ロバート・エヴァンズ本人によるナレーションによって進行していきますが、このナレーションが実に巧い!
この辺りはさすが元俳優ですし、ショー・ビジネスの世界に長年生きてきた人間の芸という気がします。
映画そのものは結構駆け足で人生を描いているため、もっと詳しく描いて欲しかったと思う部分もありますが(特に「ゴッドファーザー」の製作秘話など)、そのテンポの良さもこの映画の魅力と言えるかもしれません。


連中はどこに夢中になる
「グランド・ホテル」
『GRAND HOTEL』 (米 32年)
監督・・・エドムンド・グールディング
出演・・・グレタ・ガルボ、ジョン・バリモア、ジョーン・クロフォード、ウォーレス・ビアリー、ライオネル・バリモア
ベルリンの一流ホテルを舞台に、訪れる人たちの様々なドラマを描いた作品・・・。
これまで何度もチャレンジしてずっと観ることが出来なかった作品。
それもこれも、観る度に眠気を催してしまったからです(笑)。
かといって、この作品がつまらない作品というわけではもちろんなく、たまたま私の体調との相性が悪かったせいなのでしょう。

で、最近ようやく観ることができたわけですが、実際観終わった感想としては、ものすごい名作とまでは思わないが、人生の機微をしみじみと感じられる佳作といった印象でした。
こういうと期待外れだったように思われがちですが、決してそんなわけではなく、特にガルボの演技には物凄く惹きつけられました。
現代の感覚ではちょっと大袈裟過ぎるような演技ですが、普段歌舞伎の演技を見慣れている私には違和感はほとんどなかった(笑)。
むしろ� �ああいった大時代の演技を観られたというのは貴重でした。
もちろん、ジョーン・クロフォードの存在感もそれに劣るものではありませんが、ガルボの存在感にはさすがに敵わないでしょう。
ただ、良い意味で現代的な彼女の演技に、ガルボ以上に魅力を感じる人も多いことでしょう。

他にもジョン・バリモア、ライオネル・バリモアなどの男優陣の演技もとても良かった。

「ゲームの規則」
『LA REGLE DU JEU』 (仏 39年)
監督・・・ジャン・ルノワール
出演・・・マルセル・ダリオ、ノラ・グレゴール、ジャン・ルノワール、ロラン・トゥータン
ラ・シュネイ侯爵と愛人、ラ・シュネイ侯爵夫人と愛人、そしてその友人らがソローニュの別邸で侯爵が催す狩猟に集うが、パーティーを経て思わぬ結末に突き進む・・・。
世界映画史上ベストテン第三位にも選ばれる、「大いなる幻影」と並ぶジャン・ルノワール監督の傑作。
ところが、公開当時にはまったく当たらなかったとのことで、"呪われた映画"と称されることもあります。
実際、私自身DVDも持っていますし、これまで少なくとも3回以上は観ているはずなのですが、この作品の本当の凄さは未だに理解できているとは言えません。
確かに面白いけれども、全ての映画の中でベスト3というのは褒め過ぎでは?というのが正直なところです。

しかし、何度か観るうちに、この作品のそれなりの面白さは分かってきたようにも思います。
特に、後半のパーティー以降のハチャメチャぶり、意外なストーリー展開は確かに面白いですし、俳優も、皮肉の味の効いたマルセル・ダリオのラ・� �ュネイ侯爵、その友人を演じるジャン・ルノワール本人がとりわけ素晴らしい。
特にルノワールの演技力、飄々とした存在感が、この作品にある種の躍動感を与えていて印象的です。

ただ、個人的にどうしても残念なのが、ヒロインを演じたノラ・グレゴールにあまり魅力が感じられないことです。
もうちょっと若く美しい人がヒロインであったなら、私のこの作品に対する評価は更に高かったことでしょう(笑)。


なぜリハビリでブリトニー·スピアーズです。
「月曜日に乾杯!」
『Lundi Matin』 (仏=伊 02年)
監督・・・オタール・イオセリアーニ
出演・・・ジャック・ビドウ、アンヌ・クラヴズ・タルナヴスキ、ナルダ・ブランシェ
退屈な日常に嫌気が差していた中年男性・ヴァンサンは、ある月曜の朝に仕事場の工場に行かず、ワイン片手に水の都・ヴェニスへと気ままな旅に出る・・・。
以前レビューを書いた「素敵な歌と舟はゆく」同様、特にドラマチックな展開のある映画ではないのですが、人との交わり、歌を歌う喜び、酒を味わう楽しみ、そして、友や家族の存在・・・など、我々が日常生活の中で、つい見落としがちな人生の喜びに、さり気なく気付かせてくれる作品です。

一見、ほとんどドキュメンタリーのような淡々とした流れの中で、まるでストーリーがあるのかないのかも分からないまま展開しますので、例によって睡魔に襲われることは事実ですが(笑)、その映画全体を貫く飄々とした味わいは、他にはなかなか求められないもの。
例えば、映画前半の工場での描写は、ジャック・タチの「ぼくの伯父さん」の工場シーンを彷彿とさせますが、タチのものよりずっとリアルな描写でありながら、� ��そこまでユーモラスな味わいが出せるのはスゴイと思いますね。

主役のヴァンサンを演じるジャック・ビドウはこれが初の映画出演とか。
とてもそうとは思えない存在感で、その風貌といい(サッカー前日本代表監督トルシエに似てる!)、そのくたびれた佇まいがなんともイオセリアーニ作品の雰囲気にハマっています。
また、監督のオタール・イオセリアーニ自身も、思いっきり怪しいヴェニスの侯爵として出演しているのを始め、他の配役も、以前のイオセリアーニ作品を観たことのある人には見覚えのある人物が次々と登場。
彼らもまた、ほとんど"演技"を感じさせない自然な佇まいと存在感で観る者を楽しませてくれます。

「現金に体を張れ」
『THE KILLING』 (米 56年)
監督・・・スタンリー・キューブリック
出演・・・スターリング・ヘイドン、コリーン・グレイ
仲間を集め競馬場の売上金強奪という計画を立てたジョニーだが・・・。
キューブリック監督の作品の中ではあまり話題にならない方かもしれませんが、これは彼のハリウッドデビュー作で、ヒッチコックを思わせる犯罪サスペンス映画です。

概して彼の映画では初期の作品の方が好きですが、これはスタイリッシュなモノクロ映像で、内容も肩が凝らず、個人的にもこういった映画は大好きですね。
この映画には"役者顔"の俳優が多く出演していて、それだけでも嬉しいのですが(笑)、特に主演のスターリング・ヘイドンはゲーリー・クーバーそっくり(笑)。

計画の実行に至るまでの時間の進行を立体的に描いているので、出来事の進行が多少前後しますが、描き方が丁寧で分かり易く、優れた効果を上げていると思います。
この映画に影響を受けた映画監督は多いと聞きますが、それも� ��得の出来映えです。
(タランティーノの「レザボア・ドッグス」「パルプ・フィクション」は完全にこの映画の影響を受けていると言ってよいでしょう。)
全体としてユーモアにも欠けていませんし、オチもアッと言わせて何とも切ないものが・・・(笑)。
キューブリックの才能の非凡さが垣間見える、見事なフィルムノワール作品と言えましょう。


誰が最初に刑事コロンボを監督
「現金に手を出すな」
『TOUCHEZ PAS AU GRISBI』 (仏=伊 54年)
監督・・・ジャック・ベッケル
出演・・・
ジャン・ギャバン、ルネ・ダリー、ジャンヌ・モロー、リノ・ヴァンチュラ
初老のギャングが金塊の強奪に成功するが、その事を知った新興ギャングに目をつけられてしまう…。
フィルムノワールの原点とも言われる、名匠ジャック・ベッケル監督の傑作ギャング映画。
言うまでもなく、タイトルの「現金」は"げんなま"と呼ぶのが正しいです。

なんといっても、初老のギャングを演じるジャン・ギャバンの渋さ、カッコ良さが素晴らしい!
初老といっても決して"老けたなぁー"という感じはなく、その張りのある表情が大変魅力的です。
ダブルのスーツ姿がこれほどバリっと似合うギャング役者が今どれだけいるでしょう?
そのギャバンの向こうを張る、リノ・ヴァンチュラの存在感も大したもの。
ジャンヌ・モローはこれがデビュー作とのことですが、ストーリー的にも重要な役で出ています。

この映画は、ストーリー的にそれほど大きなサプライズがあるわけではありませんが、俳優の個性の絶妙な生か� �方と、心理描写に長けた演出が見事な効果を上げています。
哀感に富んだ、素晴らしいラストが忘れられません。

「恋ごころ」
『VA SAVOIR』 (仏 01年)
監督・・・ジャック・リヴェット
出演・・・ジャンヌ・バリバール、セルジオ・カステリット、ジャック・ボナフェ、マリアンヌ・バスレール
イタリアの小さな劇団の看板女優カミーユと劇団の主宰者ウーゴは夫婦同然の生活を送っている。二人は巡業でパリを訪れるが、3年前パリで恋人と別れたカミーユは、久々のパリ滞在のせいで舞台に身が入らない・・・。
タイトルからいかにもありがちな恋愛映画を想像すると良い意味で裏切られることになります。
もちろん、そんな想像をする人も少ないでしょうが・・・。

これは、コメディが基調にありながら、知的な雰囲気のある、大人の恋愛映画です。
ドキュメンタリー・タッチの、引き気味のキャメラ・ワークが印象的で、登場人物の顔のクローズ・アップは全くと言ってよいほどありません。
しかも、2時間半を超える長い映画で、さしてドラマティックな展開もない映画なのに、ストーリーにどんどん惹き込まれて行きました。
一見関係なさそうな登場人物たちが徐々に絡み合ってゆくストーリーも巧みで、なんとも不思議な心地良さのある映画。
特に、男同士、女同士の微妙な友情関係、敵対関係が嫌味のないタッチで描� ��れているのには敬服します。
劇中劇の使い方も実に上手く、全体の中でのアクセントになっています。

俳優陣では、女優陣が印象的で、主役のカミーユを演じるジャンヌ・バリバールも悪くないのですが、むしろソニアを演じるマリアンヌ・ベイスラーとドミニクを演じるエレーヌ・ド・フージュロルが魅力的。
また、ラストのさり気ない大団円に至るまでの流れが素晴らしく、観終わった後の後味も格別。
トリュフォーの「隣の女」やイオセリアーニ作品で有名なウィリアム・リュプチャンスキーの潤いのある生々しいキャメラも見事です。


「荒野の七人」
『The Magnificent seven』 (米 60年)
監督・・・ジョン・スタージェス
出演・・・ユル・ブリンナー、スティーヴ・マックィーン、ジェームズ・コバーン、チャールズ・ブロンソン
収穫時期になると農作物を盗賊に略奪されている小さな村。その村人たちは用心棒として七人のガンマンを雇うことにしたが・・・。
黒沢明監督の「七人の侍」をリメイク、西部劇化した作品。
この作品、昔はテレビのロードショーで何度も放送していましたので、子供心にも大変印象深いんです。

それにしても、この映画は今観ても最高!
ストーリーも実に面白くできていますが、映画前半で、一人一人がだんだんと仲間に加わっていくシーンが私は特に好きですね。
その豪華な俳優陣の魅力は尋常ではなく、それぞれが実に個性的で、男気溢れる魅力を発揮しまくっています。

特に、この作品を観る度に惚れ惚れするのが、ガンマンたちのリーダーである、ユル・ブリンナーの存在感で、その眼光の鋭さ、個性的なバリトン・ヴォイスはカッコ良過ぎます!
また、そのブリンナーを食いかねないマックィーンのガン捌きのカッコ良さも印象的。
ジェームズ・コバーンや、チャールズ・ブロンソンも、当時はデビュー間もないこともあって出番があまり多いとは言えないのですが、今思うとなんとも勿体無いほどの配役。
七人の俳優たちが、撮影中は皆自分が主役だと言わんばかりの振る舞いをしていた、という監督の後日談も微笑ましい限りです(笑)。

今聴いても心の高鳴りが抑えられない、エルマー・バーンスタインによるテーマ音楽も映画史に残る名曲!

「ゴッドファーザー」
『THE GODFATHER』 (米 72年)
監督・・・フランシス・フォード・コッポラ
出演・・・マーロン・ブランド、アル・パチーノ、ダイアン・キートン、ロバート・デュバル
イタリア系マフィアの内幕を描いたマリオ・プーゾのベストセラー小説を映画化した、70年代アメリカ映画を代表する屈指の名作。
言うまでもない名画だけど、やっぱりいいよねぇーこれは(笑)。
ストーリーも俳優陣もいいけど、映像に何ともいえない風格と哀愁があるというのかなぁー、それがこの映画を単なるマフィア映画に終わらせない、格調のある映画にしているような気がします(撮影はゴードン・ウィリス)。

この映画をパッと思い出して、すぐに脳裏に浮かぶシーンはやっぱりアル・パチーノ演ずるマイケルのレストランのシーン。
拳銃の引き金引くまでのあの緊張感・・・あれがたまらないですね。
もちろん、ゴッドファーザーことビトー・コルリオーネを演じるマーロン・ブランドの存在感と抑制の効いた名演技は素晴らしいの一言ですし、有名なニーノ・ロータの音楽も実に哀感に富んでいます。

以前はDVDのバラ売りを期待し� �いましたが、最近ついにBOXを手に入れたので、もういいやって感じです(笑)。


「ゴッドファーザー PARTU」
『GODFATHER PARTU』 (米 74年)
監督・・・フランシス・フォード・コッポラ
出演・・・アル・パチーノ、ロバート・デ・ニーロ、、ロバート・デュバル、ダイアン・キートン、ジョン・カザール
前作から5年後、ファミリーの長となったマイケルは、新しいドンとして苦難の道を歩む。彼は、父ドン・コルレオーネが、一代でファミリーを築きあげた苦難の道のりに思いを馳せるのだった・・・。
現在進行形のマイケルの物語と、父ドンの若き日の物語を平行して描くことにより、イタリア系アメリカ人の移民史をも絡めた、まさに一大叙事詩ともいえる大作。
200分という長さですが、その重厚極まりない映像美、綿密に計算された構成、脚本、演出等、素晴らしいところは枚挙に暇がありません。
ただ、マイケル絡みの人間関係、敵対関係が少々分かりにくいのは事実で、私もこのところ何度か観て、ようやく理解できてきたほどなのですが、それでもこの作品の面白さは、やはり無類と言えましょう。

俳優陣の魅力も言うまでもなく、特に、マイケルを演じるアル・パチーノと、若き日のドンを演じるデ・ニーロの卓越した演技が素晴らしい。
ここで共通して描かれているのは、彼らの家族愛と、そのために苦悩する 姿。
特にマイケルは、自らのファミリーを守るために敵対相手と争い、常に勝利を得てきますが、結果として、そのために家族の離散を招いてしまうのはあまりにも皮肉。
その苦悩を、孤独感を湛えた寡黙な表情で演じきった、アル・パチーノが見事です。

若き日のドンを演じるデ・ニーロの、緊張感に満ちた全く隙の無い演技も、パチーノに勝るとも劣らない見事なもので、特に、祭の日におけるファヌッチ暗殺のシーンは強烈の一言。
この作品における、彼の存在感とカッコ良さは尋常ではなく、同性から観ても惚れ惚れするような出来映えです。

また、この映画にはパートTでドン・コルレオーネを演じたマーロン・ブランドは全く登場することはありませんが、不思議と彼の存在感を常に感じる映画でもあります。
今となっては、スター勢揃いの作品のようですが、彼らのほとんどが「ゴッドファーザー」をきっかけにスターになったという事実が、この映画の偉大さを図らずも証明していると言えるでしょう。

「小早川家の秋」
(日 61年)
監督・・・小津安二郎
出演・・・原節子、中村鴈治郎、新珠三千代、浪花千栄子、司葉子

造り酒屋の老主人・小早川万兵衛は、経営を娘夫婦に任せて今は隠居の身。ある日、彼は偶然にもかつての愛人と再会し、彼女が経営する京都のお茶屋に通い始めるようになるが・・・。
大阪の、とある造り酒屋が舞台の作品。
小津作品では特別有名な作品ではないものの、この作品でもその味わい深さは絶品。
オープニングの"ツカミ"からしてどこかで観たような設定なのですが(笑)、やはり小津作品ならではとしか言いようがない面白さなのです。

豪華キャストを上手く捌いてみせる演出も見事。
なんの予備知識もなく観始めたので、始めは実の親子と義理の親子の区別がつきにくかったのですが、大旦那役の中村鴈治郎に対する言葉遣いやら接し方一つでその関係が明らかになってゆく様はいかにも日本の家族を描いた小津作品らしいと言えるのではないでしょうか。

鴈治郎は実質的に主役で、その飄々とした持ち味がなんともユーモラス。
その鴈治郎と愛人役の浪花千栄子のやり取りも味わ いがあるし、鴈治郎に意見する娘役の新珠三千代が実にいい。
また、酒屋で働く山茶花究と藤木悠のやり取りがまた面白いのです。

原節子はさして"しどころ"がないのですが、小津作品の彼女の場合、着物を着て動いて喋ってくれれば、もうそれだけで良いような気が(笑)。



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