■[ocd] 強迫患者が観た「ブラックスワン」
前回のocd(強迫性障害)の日記では「確認行為」の話がまだ終わってませんが(つづくとなっています)、せっかく「ブラックスワン」を観て来たので、映画について書きたいと思います。
トップ10映画をこの週末
どこかのサイトで「ブラックスワン」の主人公は強迫性障害だ・・・というのを読んで是非観たいと思っていました。実は映画館は1年以上行ってません。病気が重くなって映画館に行こうと思っても、どうにも行けません。行っても周囲の音(咳払いや食べ物の袋のカサカサ音)に敏感になって映画が楽しめないと思っていたからです。この日の映画館は人も少なく、わたしの前列には1組いましたが、隣も後ろも空席で、出口付近の通路側の座席に座れてホっとしました。しばらくして前の人の香水の香りが気になって一時的に集中力がなくなったけど・・・。
私はフィルムのゴブストッパーを見つけることができました
主人公ニナをとりまく環境と性格。厳しいバレエの世界と、バレリーナへの執着をみせる母。「わたしはこうでなければならない」というまじめさと、内気なのに実は負けず嫌いで、目立つと苦しいのだけども、頑張っている自分を認めて貰いたくてあえて表に出て行くニナ。「わたしはもっとできるんだ」という気持ちが、病気をさらに悪化させていく。ニナが背中を掻きむしる癖は、強迫性障害でいうところの「儀式」に当たるのだろうと思います。ストレスを自傷行為をすることで解決させます。それは本人にとっては強迫観念を振りほどく意味のある行為です。しかし他人から見ると全く意味不明な行為ですし、奇妙です。強迫性障害の特徴は患者自身がその「儀式」が他人から変な行動だと理解できているところにあると思� ��ます。だからニナも背中の傷を誰にも見せたくなかったんだろうと思います。
コヨーテアグリー検索で帰宅しまった人
リリーのように自分の理想を表現できる人間が目の前に現れると、愕然としてしまいます。思いやりがある言葉は嫌みに聞こえます。酷くつらい状態になると友達も家族もみんな敵に思えるのです。自分自身で敵を作り、どんどん孤独になって行くのです。
神経症独特の圧迫感をトウシューズのカタカタカタカタとなる音で、主人公の孤独感を背中を追うカメラで、強迫観念からの焦燥感を音楽とナタリーポートマンの素晴らしい演技で表現されていました。文学的な素晴らしい作品だったと思います。
後半になると幻覚、幻聴が酷くなってきます。自分の行動への自覚もなくなります。これは強迫性障害というより統合失調症の症状だと思いました。わたしは幻覚、幻聴はないと思っています。でも、この映画を観て自分の強迫観念が思いこみなのか、幻覚や妄想なのか、正直わからなくなって来ています。とういうのも、普通の人には強迫観念から連想する映像なんてないのですから。例えば街でたばこを吸っている人のたばこの煙を見ると、自分の家のコンロの火がついている映像が頭に出てきます。それはもはや妄想なのかな、とも思えてしまいます。
先日こういうニュースを見つけました。「避難所から精神障がい者は出ていってほしい」
わからないでもないですが、胸が痛みます。震災以降、精神疾患を患っている人たちはどうやって生活しているのか、考えるだけで苦しくなります。どうにか早くプライバシーの確保を。そして、ニキのような人は映画の中だけでの人じゃない事を、たくさんの人に知ってほしい。
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